048【Specialist Column】by尾﨑冨美 『オトナ女子、ぶらり一人旅②~フィンランド発祥、本場サウナ体験レポート』

「大きな旅立ちというものは、書物の、第一行目の文章のように、重要なものなのだよ。その一行が、この一瞬が、すべてを決定づけるんだ」~ムーミンパパの名言。
10月下旬、アメリカでの日常と仕事を離れ、ぶらりと一人旅へ出掛けた。今回は今迄訪れたことのないヨーロッパへ。そして、初ヨーロッパにしては珍しいと周りに言われつつ、向かった先はフィンランド共和国。首都、ヘルシンキ。
日本から一番近いヨーロッパとも言われているフィンランド。人口約554万人(2016年11月現在)、面積約33万8144平方キロメートルと日本と殆ど同じである。
ロスアンゼルス国際空港(LAX)からヘルシンキ・ヴァンタ国際空港(HEL)までの直行便は殆どない。今回はSkytrax World Airline Awardsにヨーロッパ路線を専門とするベストLCC航空会社として4年連続受賞のNorwegian Air Shuttleを利用し、行きはストックホルム(スウェーデン)経由、帰りはオスロ(ノルウェー)経由の路線であった。ロスアンゼルスからヘルシンキまで約13時間30分の片道フライト、距離にして約9,000キロ。10月下旬にしては天候が落ち着かない摂氏35度越えであったロスアンゼルスを出発し、飛行機の方角はネバダ州ラスベガスとユタ州へ、そのままロッキー山脈を一気に北上し、カナダを突っ切り、グリーンランド、アイスランドを通過、ノルウェー海を輪のように渡り、摂氏+2度以下の北欧へあっという間に到着。
今回の主な目的は、兼ねてより念願であったフィンランド発祥の絵本童話、「ムーミン」の生まれ故郷へどうしても訪れたい欲望がピークを達し、この8ヶ月間、ムーミンに因んだ名所を訪れる一人旅の企画を着実に練ってきた。唯、美容コラムの手前、ムーミンの課題で興奮し過ぎると、ボーテ編集部よりお叱りを受けそうなので、ここは一つスイッチを切り替えて、フィンランド発祥のサウナ最新事情をご紹介しよう。
ロウリュー外観
ヘルシンキ市内から南へ下った港町に近い元工場地区で、現在も都市開発が進んでいる中、7年の歳月を経て今年の5月に堂々オープンしたお洒落なレストラン兼サウナの総合施設がある。その名はロウリュー(LÖYLY)。フェイスブックやインスタグラムでもフォロワー数を多く獲得し、随時更新していることからフィンランド滞在中には是非立ち寄ってみたいと決意し、限られた滞在日程と観光スケジュールの中、ヘルシンキの夜を満喫すべく出掛けた。
今回は時間の関係上、LÖYLYは夜しか訪れることが出来なかったが、昼間に訪れると、深く温かみのある松の熱処理木材に包まれる。お洒落でかつシンプルな北欧デザインの建築物が、バルト海に面してずっしりと構えているような雰囲気が格好良い。更に北半球の高緯度に位置するフィンランドでは夏に太陽がまったく沈まない白夜が訪れると、外のバルコニーで海を眺めながらプールやバーべキュー、ワインを片手にフィンランド料理などが堪能できるようになっている。現地のタクシーの運転手と道に迷った末、LÖYLYに到着して早々、噂のバルコニーへ上ってみようとしたが、あまりの極寒で諦めた。店内へ入ると、一気にジャズ系レトロの音楽に惹かれ、北欧のお洒落な世界へ一気に吸い込まれる。


サウナ無しではフィンランドは語れない。美肌効果やデトックス効果、冷え性改善効果などとしても知られる「サウナ」とはフィンランド式の蒸し風呂であり、約1000年以上の歴史があるとも言われている。フィンランド人の3人に1人は自宅にプライベートサウナを持っているといわれるほど、この国では一年と通して大事な習慣であり、人々の心を癒す。フィンランドのホテルにもサウナが殆ど付いている他、今年の5月には大手ハンバーガーチェインのバーガーキングがファーストフード店内で世界初のサウナをヘルシンキにオープンしたことも記憶に新しい。

今回訪れた店名の「LÖYLY」とは、サウナストーンに水をかけたときに出る蒸気を意味する。熱く焼けた石の上に水をかけると一気に体感温度が上がり、蒸気が出る瞬間が、極寒の北欧で冷え切った体をしっかり芯まで温めてくれる。更に蒸気があがり、新陳代謝を良くするヴィヒタという白樺の枝の葉で体を叩きながら入るのが主流である。
フィンランド式サウナは男女共同のところが一般的に多く、タオルを身体に巻きつけながら裸で入るものだが、ここLÖYLYでは水着着用が決まりとなっている。フィンランドのサウナ文化にあまり慣れていない観光客も気軽に利用できるのが嬉しい。男女共同にすることにより、家族や友達と楽しい時間が過ごすことができる。普段は恥ずかしがり屋のフィンランド人にとってサウナは心であり、世間話を楽しむ憩いの場所。他愛もないコミュニケーションを交わしながら人の優しさに触れる機会にも感動する。


サウナルーム入口

先ずは靴入れと荷物入れのロッカー(別々)に案内され、大きめのバスタオルとサウナで座る時に敷く小さめのタオルが手渡される。サウナに入る前のマナーとして、シャワー室で体を洗い、水滴を拭き取り、水着に着替える。LÖYLYにはフィンランドの伝統的なドライサウナと薪ストーブ式のスチームサウナがある。真っ暗闇の中、ドライサウナで身体を慣らす。一気に温度が上昇すると、外に出て冷たい海風に浸り、又更にドライサウナへ入る。ペットボトルの水をゴクゴク飲みながら休息をとり、これを数回繰り返し、スチームサウナへ移動する。スチームサウナには既にヨーロッパ系の男性3人組、女性は私を入れて3人が入っていた。男性の一人が、サウナストーンに水をかけて良いか?と一声掛けられ、高熱の蒸気があがり、瞬間的に辺りが真っ白になる。蒸気は今回のような寒い夜にはたまらない暖かさが心地良い。そして、体がポカポカ温かくなったところでキーンと冷えたバルト海の風に当たるとホッとする。この国でサウナ文化が流行るのが納得できる瞬間である。
サウナ時間も終盤となり、スチームサウナで一緒だったフィンランド人とベルリンから来たお友達の女子2人組に、宿泊先近くの駅まで親切に付き添っていただいた。バスで移動中、フィンランドの若年層のサウナ事情について、貴重なお話を聞くことができた。サウナはフィンランドで長い歴史があれども、この数年の間で、若い人達のサウナ離れが目立つようになっている。フィンランドでアパートや賃貸物件を借りる際には、昔は必ず各部屋にサウナが付いていたり、共同サウナがあったり様々であったが、最近ではサウナを付けない賃貸物件が増えてしまい、その影響で、少しでも若年層に気に入るようなレストラン・バー・とサウナが隣接している複合施設が今後フィンランドで流行るのではないかと、彼女は推測する。気軽にフィンランド文化に触れて、心身共にリフレッシュできる、LÖYLYはイマドキの人気スポットである。今度訪れる時には白夜のフィンランドを堪能しながら、優雅な気分で本場のサウナ体験をしてみるのも、一見の価値あり。
ロウリューレストランとバー

【参照サイト】
LÖYLY
Hernesarrenranta 4
00150 Helsinki
+3589 6128 6550

【出典】
新名所LÖYLYデザインサウナとレストランを (Visit Helsinki Blog)
Aruco Finland (地球の歩き方 26) ダイアモンド社
改訂新版フィンランド~かわいいデザインと出会う街歩き ダイアモンド社
Country Meters / Finland population 2016 
http://countrymeters.info/en/Finland

Burger King in Finland opens world's first in-store spa (Maureen O'Hare, CNN)

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